診療
思春期こころのリスク相談外来・検査入院
概要
当院では、統合失調症などの思春期に好発する精神疾患を早期に発見し、早期の回復に繋げることを目的に、専門外来・検査入院を行っています。具体的には統合失調症などの精神疾患が心配な方にお越し頂き、精神科医師が各種検査を含め、診療を行います。
対象
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年齢:13歳から20代前半頃の方(ご相談下さい)
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順天堂大学医学部附属順天堂医院メンタルクリニック初診にて、専門外来が好ましいと判断された方
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症状が出始めてから5年以内(ご相談下さい)
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ご両親やご兄弟に統合失調症や双極性障害の方がいる方
※他院にて、知的障害、発達障害、アルコール等の依存症、反社会性や境界性パーソナリティ障害、摂食障害の診断を受けている方は対象外となります。
検査
血液検査、画像検査、心電図、各種認知機能検査、神経心理学的検査等
受診方法
まずは、通常の初診にお越しいただきます。初診予約の際、「思春期こころのリスク相談外来へ受診希望です」とお伝え下さい。初回診察の際、通常の問診事項に加え、外来事務で渡される用紙の記入を行って頂きます。結果に基づき思春期こころのリスク相談外来担当医師が、専門外来受診の必要性を判断し、必要性がある場合に受診して頂きます。受診の心配がない場合、あるいは別の疾患が疑われる場合は、症状や状況に応じて必要な診療科あるいは医療機関をご紹介させて頂きます。
検査入院のご案内
統合失調症は以下に示すような症状で思春期に発症することが多い病気で、早期に治療を開始することが重要と考えられています。
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集中力低下
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意欲低下
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抑うつ気分
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聞こえないはずの声が聞こえる
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誰かが自分にいやがらせをしようとしていると感じる
一方、統合失調症が心配されるようなこころの不調には、①~⑤のような身体やこころの別の要因が隠れていることもあり、それらを調べた上で、今後の治療方針を考えていくことが必要です。
①甲状腺疾患や自己免疫疾患
②脳疾患(脳炎・脳症・脳腫瘍・てんかんなど)
③発達障害といった心の特性
④統合失調症以外の精神疾患
⑤その他
この検査入院プログラムでは、約10日間前後の入院中に、様々な検査を集中的に行い、診断を検討します。結果をご本人、かかりつけ医にお伝えし、今後の診療に役立てて頂くことが、本検査入院プログラムの目的です。
「検査入院希望」と書かれた、かかりつけ医からの紹介状を持参し、当院メンタルクリニック、思春期こころのリスク相談外来の初診予約をお取り下さい。
まずは初診で検査入院の対象となるかを相談させていただきます。
※当検査入院プログラムは検査目的のため、入院中に新たな治療を開始することはありません。現在服用中のお薬があれば、原則入院中もそのまま継続いただけます。終了後は、かかりつけ医での治療継続となります。
なお、こころの不調の原因となる身体の病気が見つかった場合は、内科等専門の診療科をご紹介する場合もあります。
対象となる方
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10代前半~20代後半までの方(ご相談下さい。)
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現在のかかりつけ医(精神科・心療内科・内科・小児科など)より、統合失調症の心配もあると言われた方
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ご自身(またはご家族)で、統合失調症が心配であると感じている方
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最近(3年以内)統合失調症と診断された方
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ご自身の希望による任意入院での検査入院が可能な方(差額ベット代がかかる個室の用意も可能です。)
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検査入院プログラムの趣旨に同意していただいた方
対象となる症状
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あまり口をきかず、部屋に閉じこもるようになった。
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誰もいないはずなのに声が聞こえるような気がする。
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自分の考えが周囲に伝わっているような気がする。
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自分の心にいたずらされているように感じる。
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感情がなくなったように感じる。
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いつもと違う知覚体験がある。
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考えがまとまらない。
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自分が考えていることが現実なのか分からなくなる。
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「自分」が考えているという主体的な感覚がしない。
など
対象とならない方
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自殺の恐れが高い方、興奮の著しい方、アルコール依存症の方、パーソナリティ障害の方、摂食障害の方
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その他、開放病棟での検査入院に適さないと医師が判断した方
入院までの流れ
通院先のかかりつけ医に検査入院希望の旨を伝え、紹介状の作成を依頼して下さい。
電話で思春期外来の初診予約をお取り下さい。
(順天堂医院 メンタルクリニック外来 03-3813-3111 平日9時から16時)
初 診
(「検査入院希望」と記載したかかりつけ医からの紹介状を持参して下さい。)
検査入院の適応がある場合、入院予約となります。
検査入院日が決まり次第、当院から患者様に、電話連絡させていただきます。
※当院にかかりつけの方で検査入院をご希望の方は、主治医にお伝え下さい。
検査入院スケジュール
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心電図・レントゲン
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採血(内分泌・炎症などの検査)
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採尿
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脳画像検査:頭部CT、頭部MRI、脳波、必要に応じて脳血流検査など
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臨床症状評価(養育者との面談を含む場合もあります)
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心理検査:認知機能検査、投影法、発達障害スクリーニング検査、その他医師が必要と判断したもの
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カンファレンスによる検討
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検査結果説明:担当医よりご説明します。
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主な検査結果はCD-ROMに保存しお持ち帰りいただき、かかりつけ医での今後の治療にご活用下さい。
※検査結果によっては、半年後~1年後に再検査のため来院のご案内をさせていただくことがあります。
思春期こころとからだの検査入院
※希望される方には、検査の空き時間を利用して、公認心理師による、認知行動療法の導入も行っております。
お気軽にご相談下さい。